カロリーゼロを疑おう【第4回】アスパルテームへの疑惑ヘルシーライフの新常識

人工甘味料の代名詞とも言えるアスパルテーム。世界でもっとも普及している人工甘味料ですが、その人気を上回る疑惑の持ち主でもあるようです。

» 2014年11月28日 06時45分 公開
[ことばや/伊藤佳代子,ITmedia]

 普段、リラックスをするためにとか、口内のエチケットにと、チューインガムを愛用する人は少なくないでしょう。ビジネスマンの身だしなみと言う人もいるかもしれません。では、あなたの持っているチューインガムのパッケージをよく見てください。原料の中に「アスパルテーム」と言う名がありませんか。これが、世界でもっとも普及している人工甘味料の名前です。

 世界120カ国で認可され、ダイエット系を中心に全世界で1万品目を超える食品に使用されているアスパルテーム。日本でも1983年に厚生省から認可され、30年の間に驚くほど普及しました。試しに、コンビニエンスストアでいろいろな食品の原料を見てください。あらゆるものにアスパルテームが使用されていることが分かるでしょう。

 アスパルテームは、世界の70以上もの公的機関が安全性に太鼓判を押す信頼性の高いもの。と思いきや、その生まれ故郷であるアメリカでは大いなる論争が巻き起こっていると言います。アスパルテームほど危険なものはないと。さて、真相はどうなのでしょう。

(画像はイメージです)

世界一の人気者に囁かれる疑惑

 アメリカでは、アスパルテームによる健康被害を訴える人が訴訟を起こす例も多く、科学者や医者の中にも科学的見地からその危険性を指摘する人も少なからずいます。安全性にまつわる論争について、科学者の意見は真っ二つに割れ、「安全である」とする論文がある一方で、「致命的な健康被害をもたらす危険がある」とする論文もあります。

 そんな中で囁かれている噂があります。アスパルテームは胃潰瘍の薬を開発中に偶然発見したと言われていますが、過去にこの物質がアメリカ国防省・ペンタゴン内で生物化学兵器用の物質候補としてリストアップされていたと言うのです。

 人工甘味料と化学兵器の関係は、アスパルテームに限った話ではなく、今は使用が禁止されている「ズルチン」しかり、砂糖の1万倍の甘みを持つ最新の人工甘味料「ネオテーム」もしかり。どちらも戦争に使用する兵器を作る過程で発見されたものだと言われています。そして、アスパルテームを開発したサール薬品は、戦時中は軍に化学薬品を供給していた会社。そして、日本でアスパルテームを普及させた会社もまた、化学会社。どちらも食品会社ではありません。

うまい話には、やっぱり裏がある

 頭痛やめまい、むくみなどの軽いものから、失明やうつ、糖尿病などの深刻な症状まで、アスパルテームには多くの副作用が囁かれています。そして、前回もお話したように、人工的で有害な化学物質は肝臓に蓄積される可能性があります。完全に排除するのは難しくとも、せめて、妊婦や乳幼児には摂取させない努力をする必要があるでしょう。

 カロリーゼロなんてうまい話には、人工甘味料の危険性という裏がありました。飛びつく前にちょっと立ち止まって、じっくりとその正体を見極める冷静さが自分を守る盾になるでしょう。

 次回からは新たなシリーズに入ります。常識だと思っていたことが、くるりとひっくり返る話になるかもしれません。

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