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» 2014年11月19日 07時30分 UPDATE

“ウェアラブル”の今:第4回 Android Wear搭載スマートウォッチ、最大の武器とは (1/2)

腕時計型デバイスの分野で先行しているのは「Android Wear」を搭載した製品だ。Android Wear搭載デバイスには、どんな優位性があるのか。実際に使用した経験から考える。

[松村太郎,ITmedia]
Android Wear Android Wear搭載のLG G Watchと、AndroidスマートフォンMoto Gをペアリングしている

市場で先行するスマートウォッチ

 Appleの腕時計型デバイス「Apple Watch」は2015年春のリリースとなりそうだが、これらに先行して数が増えているのが、「Android Wear」搭載のスマートウォッチだ。Android Wearとは、2014年3月にGoogleが発表した、ウェアラブルデバイス向けのOSだ。AndroidスマートフォンとBluetoothで連携する腕時計型のデバイスから、リリースが始まった。

 リリース当初は、LG「G Watch」、Samsung「Gear Live」に加えて、Motorolaの「Moto 360」という3モデルがアナウンスされた。特に注目されたのがMoto 360だ。後から出てきたApple Watchも含め、スマートウォッチのディスプレイは長方形が主だが、Moto 360は正円のディスプレイを搭載してきた。より腕時計らしく見える点に人気が集まった。

 その後もリリースが続き、ASUSの「ZenWatch」、シリーズ発のAndroid Wear搭載となるソニーの「SmartWatch 3」、そしてLGの2作目にして円形ディスプレイを備えた「G Watch R」と、デバイスの数も充実してきた。特徴的なのは、日本を含む各国で、Googleが用意するGoogle Play Storeで、NEXUSスマートフォンやタブレットと同様に購入できる点だ。

 すでに市場に投入され、購入できる状態にあること、デバイスの種類も充実していること、そしてApple Watchが2015年まで遅れ、また四角いディスプレイを備え予測からかけ離れた時計らしい平凡なデザインだったことから、「スマートウォッチを装着する生活」をいち早く体験するために利用している人々も少なくない。

最大の武器は「Google Now」

 筆者も、Android Wearのうち最も早く手に入ったLG G Watchを手に入れ、試してみた。セットアップは非常に簡単。Androidスマートフォン側の準備はのBluetoothをONにし、Android Wear用のアプリをGoogle Playからダウンロードしておくだけだ。G Watchの電源を入れると、スマートフォンとペアリングを行い、すぐ使えるようになる。

 スマートウォッチは、スマートフォンと同様、アプリを追加することによって機能を増やしていくことができる。アプリについては後ほど触れるが、ひとまず、Android Wearの機能を試すため、アプリを入れずに使い始めることにした。そこで、Googleがスマートデバイスを作り出すことの底力を知ることになった。

 Googleには、「Google Now」という音声アシスタントの機能がある。これがAndroid Wearでも利用できるのだ。

 Androidはもちろん、iPhoneにも対応している。iPhoneのSiriのように、自然言語で話しかけて検索をしてくれる機能ももちろん便利なのだが、G Watchを装着してこれを試してみると、マイクの性能のせいか、あまり音声入力を満足に楽しむことはできなかった。このあたりの調整は、デバイスが熟すのを待つ必要がありそうだ。

 一方で音声認識・検索以上に筆者が「これはよい」と感じたのは、スケジュールや行動に合わせて自動的に表示される「カード」だ。Gmailのメール、カレンダー、行動情報等を自動的に取得・判断して、必要な情報をカードの形にまとめて表示してくれる機能で、Android Wearの画面にもこのカードが自動的に配信され、情報をチェックできる。

 例えば、筆者は日本出張の日だった先週の金曜日にG Watchの画面を見てみると、腕時計の画面は情報が満載だった。

  • イベントとして登録されている日本出張の旅程の一部
  • 「SFO-HND JL1」というこれから乗る飛行機がオンタイムであること
  • 検索した空港までの鉄道に大きな遅延があるという情報
  • 筆者が住む米国カリフォルニア州バークレー市の天気
  • 日本の滞在先にあらかじめ届くようにしておいたAmazonの配送情報
  • 友人の誕生日

 こうしたカードを、G Watchのタッチパネルを上下にめくりながら見ていくことができた。例えば、飛行機の遅延情報は移動中に調べようと思っていたことで、その手間が省けた。また、鉄道の遅延は、飛行機に乗り遅れそうになるほどだったため冷や汗をかくことになるが、あらかじめアラートとして上がってきてくれると、駅に向かう間に対策を考えることもできる。

 音声検索にも対応しているが、腕時計を眺めるだけでこうした情報が目に入ってくる感覚は、まさに「スマート」だと感じた。もちろんGmailやGoogleカレンダー、Google Mapsの履歴情報をフル活用して提供していることから、プライバシー面で不安に思うこともあるかもしれない。あるいは便利に使っていても、あまり他人に見られたくないと思うかもしれない。

 しかし、だからこそ、自分の腕に常に装着しているスマートウォッチ上での確認が「ちょうど良い」感覚だった。

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