カロリーゼロを疑おう【第1回】ゼロも積もれば高カロリー!?:ヘルシーライフの新常識
ちまたにあふれる「カロリーゼロ」や「カロリーオフ」の表示。でも、ちょっと待ってください。本当に正しい意味、理解していますか?
メタボなお腹を気にする身としては、秋は何とも悩ましい季節。「天高く馬肥ゆる秋」の言葉通り、美味しい季節の誘惑に打ち勝つのはなかなか苦しいものです。
そんな中、雑誌でもテレビでも「カロリーゼロ」や「ノンカロリー」なんて言葉が氾濫していれば、気になるのも当然の話。つい手にとって、いや、飛びついてしまう人も少なくないのでは。ふと気がつけば、炭酸飲料にビールにゼリーなど、「カロリーゼロ」を謳う商品はここ数年で爆発的に増えました。これはすなわち、飛びついた人が多いという証拠。
でも、ちょっと待った。「カロリーゼロ」が、必ずしも「0kcal」じゃないってこと、知っていますか?
カロリーゼロを疑え
厚生労働省のWebサイトにある「栄養表示基準に基づく栄養成分表示」を確認してみると、「カロリーゼロ」や「ノンカロリー」と表示する場合、食品なら100グラム当たり、飲料なら100ミリリットル当たり5kcal未満ならよしとしています。つまり、「カロリーゼロ」をうたっていても、最大で5kcal未満のカロリーが含まれている可能性があるということ。500ミリリットルのペットボトルなら、25kcal程度の計算になります。
このように、従来のものに比べれば格段に低カロリーであるのは事実ですが、チリも積もればなんとやら。決して0kcalではないことを覚えておいて損はありません。ちなみに、「カロリーオフ」と表示されていた場合に許容されるカロリーは、食品100グラム当たり40kcal以下、飲料100ミリリットル当たり20kcal以下。いずれも低カロリーではありますが、「ないもの」とするのは少々乱暴かもしれません。
また、「カロリーゼロ」以外にも「ゼロ」をアピールするものはあります。たとえば「糖質ゼロ」。これもまた、メタボ世代には心にグッとくる響きです。が、もうお気づきですね。「ゼロ」表示でも食品100グラム当たり、飲料なら100ミリリットル当たり0.5グラム未満の糖質が含まれている可能性あり。いずれにしても、「ゼロ」や「オフ」の言葉を盲信しすぎないことが重要です。
人工甘味料は太る?
さて、ではなぜ限りなくゼロに近いカロリーにすることができたのでしょう。そこには、人工甘味料の存在が不可欠です。砂糖の何倍も甘いのに、カロリーはほぼないという夢のような食材。多くのダイエット食品はもちろん、今ではあらゆる食品に含まれています。ところが、ほぼ「カロリーゼロ」のはずの人工甘味料が、逆に肥満を誘発しているという説が……。ということで、次回はこの人工甘味料は太る説についてお話します。
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